「そろそろ仕事に復帰したいけれど、幼稚園と保育園、どちらに預けるのがいいんだろう」「教育方針を考えると幼稚園もいいけれど、預かり時間が心配」
福山市で子どもの預け先を考え始めると、こうした迷いに直面する家庭は少なくありません。この記事では、福山市・こども家庭庁の公式情報をもとに、幼稚園と保育園(保育所等)の制度上の違いを整理し、家庭ごとに何を基準に考えればよいかをまとめました。

最初に確認すること:「保育を必要とする事由」があるか
幼稚園と保育園のどちらを選べるかは、まず「保育を必要とする事由」があるかどうかで決まります。これは国の「子ども・子育て支援新制度」で定められている考え方です(こども家庭庁の説明による)。
| 認定区分 | 対象年齢 | 保育の必要性 | 利用できる施設 |
|---|---|---|---|
| 1号認定(教育標準時間認定) | 満3〜5歳 | 問われない | 幼稚園、認定こども園 |
| 2号認定(保育認定) | 満3〜5歳 | 必要 | 保育所、認定こども園 |
| 3号認定(保育認定) | 満0〜2歳 | 必要 | 保育所、認定こども園、地域型保育 |
福山市では、2号・3号認定の対象となる「保育を必要とする事由」として、保護者双方が次のいずれかに該当することが条件です(福山市公式サイト「保育所等とは」より)。
- 就労(月48時間以上)
- 産前・産後
- 病気・障がい
- 病人の介護
- 家庭の災害
- 求職活動
- 就学・職業訓練
- 虐待・DVのおそれ
- その他市長が認める状態
つまり、共働きやひとり親家庭でフルタイム・パートタイムの仕事をしている、あるいは求職活動中である、といった事情があれば保育所等(2号・3号)の対象になります。一方、こうした事情がなく、教育を目的として3歳以降に通わせたい場合は、幼稚園(1号)が選択肢になります。
0〜2歳児は、保育の必要性がなければそもそも幼稚園に入園できないため、この年齢で預け先を探している場合は、実質的に保育所等(3号認定)が対象になります。
手続きの違い:誰が入園を決めるか
幼稚園と保育園では、入園の決め方が異なります。
- 幼稚園:各園が個別に入園を決定する。福山市の一括利用調整はなく、希望する園に直接申し込む
- 保育所等(保育所・認定こども園・地域型保育):福山市が利用調整(選考)を行う。希望者が定員を上回る場合、就労状況などに基づく基準で優先順位が決まる
福山市の公立幼稚園は西・新涯・緑丘・道上(3年保育)、手城・湯田(2年保育)の6園、私立幼稚園はかなりや・かやのみ・神辺千鶴・白ゆり・すばる・誠信・福山いずみ・松永・聖園の9園です(2026年4月時点、福山市公式サイトより)。1号認定の申請は、園から入園の内定を受けたあとに、園を通じて市へ申請する流れになります。

保育所等は人気の園や地域によっては希望どおりに入れないことがあり、就労状況などに基づく利用調整(選考)を経る必要があります。

預かり時間の違い
利用できる時間の目安にも違いがあります。
- 公立幼稚園:教育時間は9時〜14時。預かり保育は月〜金の14時〜17時(1回300円、月額上限3,000円、福山市公式サイトより)
- 保育所等:支給認定区分によって「保育標準時間」(1日11時間)と「保育短時間」(1日8時間)に分かれる。月の就労時間が120時間以上ならおおむね標準時間、120時間未満ならおおむね短時間が目安(福山市の下限基準は月48時間以上)
フルタイムで働きながら子どもを預けたい場合、幼稚園の預かり保育だけでは対応しきれないケースもあるため、勤務時間と照らし合わせて検討する必要があります。私立幼稚園の預かり保育の時間・料金は園によって異なり、福山市公式サイトには一律の記載がないため、気になる園には直接確認することをおすすめします。

費用の違い
3〜5歳児クラスは、幼稚園・保育所・認定こども園のいずれも保育料(利用料)自体は無償化されています。0〜2歳児クラス(保育所等の3号認定)は、世帯の市民税額に応じた区分で保育料が決まります(非課税世帯等は0円)。
無償化されているのは基本の保育料部分で、次のような費用は別途かかる場合があります。
- 給食費・副食費
- 保育用品などの実費負担分
- 幼稚園の預かり保育、認可外保育施設等の利用料(一定の上限額まで無償化。幼稚園の預かり保育は月12,300円が上限、認可外保育施設等は月40,300円が上限。いずれも「保育の必要性の認定」を受けていることが条件、2026年10月1日利用分からの金額、福山市公式サイトより)
3〜5歳の基本保育料では大きな差がつきにくいため、比較するなら給食費や預かり保育・延長保育にかかる実費部分に注目するとよさそうです。
認定こども園という選択肢
福山市には、幼稚園と保育所の機能をあわせ持つ「認定こども園」もあります。認定こども園は1号認定(教育のみ)でも、2号認定(保育)でも利用できる施設です。
「今は仕事をしていないが、いずれ復帰する予定がある」といった家庭では、認定こども園を選ぶことで、認定区分が変わっても同じ園に通い続けられる可能性があります。ただし、園ごとに定員や受け入れ体制は異なるため、希望する場合は個別に確認が必要です。
選ぶときのチェックポイント
- 保護者に「保育を必要とする事由」(就労など)があるか、ないか
- 希望する預け先の教育時間・保育時間が、家庭の勤務時間と合っているか
- 給食費・預かり保育料など、無償化の対象外になる費用がどのくらいかかるか
- 幼稚園は各園への直接申込み、保育所等は市の利用調整という、手続きの違いを理解しているか
- 将来的に働き方が変わる可能性がある場合、認定こども園も選択肢に入れるか
よくある疑問
Q. 共働きだけど幼稚園に通わせることはできる? A. 幼稚園(1号認定)は保育の必要性を問わないため、仕組みの上では共働き家庭でも利用できます。ただし教育時間は9時〜14時が基本で、預かり保育を使っても17時までとなるため、勤務時間によっては保育所等のほうが現実的な場合があります。
Q. 幼稚園から保育園に途中で変えることはできる? A. 認定区分や利用調整の仕組みが異なるため、個別の状況によります。福山市保育施設課・保育指導課に確認することをおすすめします。
Q. 私立幼稚園と公立幼稚園、費用は同じ? A. 3〜5歳の基本保育料はいずれも無償化の対象ですが、入園料や給食費、保育用品費などは園ごとに異なり、福山市公式サイトには一律の記載がありません。気になる園に直接確認してください。
まとめ
- 幼稚園(1号認定)は保育の必要性を問わず満3〜5歳が対象、保育所等(2号・3号認定)は保護者に就労などの「保育を必要とする事由」がある場合が対象
- 手続きも異なり、幼稚園は各園が入園を決定、保育所等は市が利用調整を行う
- 3〜5歳の基本保育料はどちらも無償化されているが、給食費や預かり保育料などは別途かかる場合がある
- 認定こども園なら、認定区分が変わっても同じ園に通い続けられる可能性がある
- 具体的な申込み方法は、当サイトの幼稚園・保育園それぞれの記事も参考にしてください


